2013年4月15日月曜日

2か月ぶりの週末


今週末は、2月から毎週末のようにオーディションに行きまくったあとの初めての週末。
まだロンドンに留学中の16歳のころに、レッスン中に自分がなんでバレエやってるのかわからなくなり、体が動かなくなったことががあったけど、今回も10年越しで同じようなことが起こりました。やはり毎週のように緊張の連続だと、自分が好きでやっているはずのことでも嫌になってしまうものなんでしょうか。10代の頃は、ちょっとバレエを休んで、元気になったら復帰。が許されたけど、今はそんなことできません(笑)
3月の末にはバレエアリゾナの公演(トリプルビル)が週末を挟んで行われたので本当に、無休・・・状態。
でも、オーディションを通して、今仕事があることの有難さ、オーディションで自分の踊りを査定されるよりも、たとえ群舞でも舞台を楽しみに見に来てくれた人の前で踊ることの楽しさをあらためて感じることが出来ました。どれも当たり前のことだけど、バレエ団という狭いコミュニティーの中で毎日、年中同じことをしていると、その世界のすべてを決定する権限のある監督の評価ばかり気になってしまって、本来の自分の目標や、楽しみを忘れてしまう・・・??

来シーズンまだどうするか決めかねているけど、プロとして働ける時間は本当に少ない。今この時間が全部将来財産と言えるように、しっかり考えて決めないと・・・ですね。

2013年4月3日水曜日

仕事探しって難しい・・


バレエアリゾナでは今シーズン所属ダンサーの来シーズンの契約に関するディレクターとのミーティングも全員分終わり、オープンオーディション(現在所属しているダンサー以外から来シーズン契約希望のダンサーを募りオーディションすること)も終わりました。

私は、契約更新できないかも・・・と覚悟もしていたけど、あっさりと次のシーズンの契約をもらうことが出来ました。この契約更新をめぐってこの1か月バレエ団内ではたくさんのドラマが繰り広げられました。本来なら、誰よりも努力している人、勤務態度も真面目な人、 その職に誇りを持っている人、などは組織をよくするためには一番残ってほしい人物のはず。
しかし、バレエの世界は違います。本人がどれだけ努力しても、どれだけバレエが好きでも、舞台で大きなミスをしたことがなくっても、ディレクターの一声で、一瞬で無職になってしまいます。

次の契約をもらえなかった人は6月にシーズンが終わるまでの約2か月間、次の仕事を探すためにオーディションの情報を集めたり、可能性のありそうなバレエ団にコンタクトを取ったりします。

この間、次のシーズンの契約をもらえた周りの仲間ダンサーに囲まれながら、もし仕事が見つからなかったら・・というプレッシャーや焦る気持ちという精神面の痛手と、オーディションのための渡航費やホテル代などの莫大な費用の痛手とでボロボロになる人もたくさんいるんじゃないかな・・・

私はアメリカに来て、8か月、ここだけじゃなく他のバレエ団も見てみたいし経験してみたい。そしてもっとチャンスがもらえる場所に行きたい。という想いから2月から4月にかけて、目ぼしいバレエ団に履歴書や手紙を送り、オーディションをしているところには足を運びました。

どうせならこのバレエ団よりも大きいバレエ団に・・ということで有名どころばかり挑戦しました。
結果はまだ出ていないところもあるけど、ボストンバレエ団以外のカンパニーでは最終面接まで進みディレクターと直接話がすることがきました。
最終まで残れたという結果は、1月からバレエアリゾナで落ち込んでいる私にはすごく自信につながるものだったけど、契約をもらわないと全く意味がない・・・んです。

今回オーディションを受けまくってみて、つくづく感じたことは、「バレエ界ののオーディション」というシステム・・・もっとマシにならないのでしょうか・・・??? です。

会場で出会ったある女の子は、この日のためにお金を貯めて航空券を買い、去年のオーディションで仕事が見つからなかったので、教えのアルバイトをしながらバレエスクールのオープンクラスを受けながら1年間この日のために準備してきた。と話していました。
(じっさいそのバレエ団付属のバレエ学校に所属する学生以外はこのタイプがほとんどだと思う)
その子は、バーが終わると、自分の番号を呼ばれてしまい、それ以上オーディションを受けることが出来ませんでした。
スタートからカットされるまでの間、30分。どこにも怒りをぶつけれないけどけど、開始早々番号を呼ばれて「はい、さようなら。」 どれだけ悔しいことでしょう。

ある子は、カナダから片道6時間かけてお母さんとドライブしてきたの。と話していました。

そのバレエ団のディレクターは、オーディションの最後に「みなさん、来てくれてありがとうございました。しかし、私たちのカンパニーは次のシーズンの契約がありません。空きが出たら最後まで残った人たちには連絡するかもしれません」と締めのあいさつ。

ある会場では、このオーディションのためにわざわざヨーロッパからやってきたという女の子に会いました。渡航費や滞在費など考えれば軽く何千ドル。
でもそのオーディションでは、ディレクターとの面接で「2週間前に空いてた2つの契約が決まって無くなっちゃったんだよ、だからもうないんだ。でもあなたは良かったからこのまま帰したくなかったから、せめて話をしようと思ったんだ」と言われる始末。喜んでいいんだか、怒っていいんだかわからない。でもこれは後者でしょう。

来シーズンの契約が埋まってしまってもうないことが明らかなら、せめてウェブサイトのオーディションページに「来シーズンの契約はありませんが、よっぽどいい人がいた場合は考慮したいと思います」とか書いてくれれば、そこまで可能性が低いなら今回は諦めて違うバレエ団のオーディションに費用を回そう。と、何百ドルも使って、ものすごく期待をしていくひとも少ないと思います。

例えば、「私たちが探しているのは、来シーズンのドンキホーテの初演に起用できる、スレンダーで165センチ以上のプロ3年以上経験ありのダンサーです、オープンスポットは2つです」など、何かしらの情報を載せていてくれればいいのに。。。

職を求めて一生懸命なダンサーはアメリカにも日本にもあふれています。その人たちのが背負う気迫というか、夢を実現させたくて、この一回のチャンスにかけている!!って必死な想いと、バレエ団側との温度差があまりにもありすぎると思いました。

バレエもビジネス、バレエ団に対して有益な一握りのダンサーしか雇われないのは大前提。
でも、そこに到達したいと今まで努力してきた大多数の人たちが「私がいままでやってきたことはなんだったんだろう・・」「私はどうせ、かすりもしない実力か・・」 とか思ってしまわないような対処方法ってないのかな・・・・・・